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2008年10月

2008年10月27日 (月)

Helvetica展。

ラフォーレミュージアム原宿で開催中の

A tribute to Typography  ~ヘルベチカの過去・現在・未来 展

に行ってきた。


Image034


ヘルベチカとは、

約50年前にスイスで誕生した装飾のないシンプルなローマ字書体で

現在でも、至るところで目にすることが出来るフォント。


そのヘルベチカの魅力を追ったドキュメント映画のDVD発売に伴い

ヘルベチカを用いて制作された様々な作品や歴史などが展示されている。

入場料は¥300で、映画も会場内で上映されるという

なんともお得なイベント。


会場のほとんどは、映画上映の為の仕切られたブースで占められており

その中に大きなスクリーンがあって、椅子が並べられている。

ちょうど13:00からの映画上映が始まるところだったので

展示は後回しにして、まずは映画を鑑賞。

映画と言っても、フィルムじゃなくて

単純に、発売されたDVDをプロジェクターで上映してる。


ヘルベチカについて、様々な人たちが熱く語る1時間20分の映像作品。

コレが結構面白くて、ヘルベチカが如何にグラフィックデザインというものに

影響を与えてきたのかがよく分かる内容になっております。


映画を観終わったところで、他の展示を観ていく。

ヘルベチカの歴史や、類似フォントの見分け方とか

レコードジャケット、ポスター、パンフレットなどの商品、

グラフィックデザイナーの方々が、新たに制作した作品などなど…

正直、展示数はそれほど多くないので

20分もあれば、かなりじっくり観られるかと。

パナソニックとか、航空会社などの企業ロゴやパンフレットにも使われていて

バイクでおなじみのカワサキなんてのもあった。

シンプルで力強い書体が、企業イメージを壊す事なく説得力を与えるらしい。


会場内にも展示してあるヘルベチカのオリジナル金属活字を使った

活版印刷ポストカードが入場時に貰える。

印刷博物館 印刷工房 印刷の家の木村文敏さんが

1枚1枚手刷りした愛情溢れるカード。


Img_1085


綿密にデザインされ、いじるところが無いと言われる《ヘルベチカ》。

50年もの間、これだけ多用されているということが

完成度の高さを物語っているなぁ。


明日が最終日!



A tribute to Typography ~ヘルベチカの過去・現在・未来 展

http://www.helvetica-web.com/

ラフォーレミュージアム原宿

2008年10月21日(火)~10月28日(火)

11:00~20:00(最終日~18:00)

入場料:300円(小学生以下およびラフォーレカード会員は無料)



2008年10月17日 (金)

TENORI-ON special★night。

アサヒ・アートスクエアにて開催された

a-cita cafe special program vol.10

TENORI-ON special★night へ行ってきた。


Tenorion


TENORI-ONとは、今までに無いまったく新しいコンセプトの《楽器》。

詳しくはこちらで→http://www.yamaha.co.jp/design/tenori-on/

今回は、開発者であるメディアアーティストの岩井俊雄さんと

ヤマハの西堀 佑さんのお2人によるデモンストレーション&トークが

披露されるのであります。

今までにもTENORI-ONのイベントはあったけど

一度も行けてなかったので、楽しみにしてた。


会場は、奇怪なオブジェでおなじみのスーパードライホール4F。

19:30開演で15分前くらいに着いたら、意外と空いてた。

入場無料だけど、1ドリンク制なので生ビールを注文。

もちろん場所が場所だけにスーパードライ。

正直、あんまり好きじゃないんだけど(苦笑


イベントホールには、テーブルが並んでいて、テキトーに座る感じ。

100人くらいの来場を予想してるような、かなり余裕をもったレイアウト。

ドリンクの他にもオーガニックのフードメニューが売ってたりする。

早速、玄米のおにぎり(シャケ)を購入。

予想通りパサパサしてたw

イベントを進行してるa-cita cafeっていうのが

飲食しながらアートプログラムを楽しむというコンセプトらしい。

TENORI-ONの実機も3台置いてあって、実際に触る事が出来る。


そうこうしてるうちに、照明が落ちてイベント開始。

まずは、お2人によるTENORI-ONの実演から。

岩井さんの演奏(操作)の様子は

手元をビデオカメラで撮影して、大きなスクリーンに映し出される。

TENORI-ONは音だけじゃなくて、光の動きも楽しむ楽器なので

大きく観られるのはスバラシイ。

途中途中、ビデオカメラがノーシグナルになって画が落ちてたけどw

岩井さんも、演奏しながらビデオカメラを直してて大変sweat01


そんな感じで数分間の実演が終了。

パチパチパチshine

そこからは、岩井さんメインで、トークがスタート。

MSXパソコンや、手回しオルガンから始まって

数々のメディアアート作品、家庭用ゲーム機、

汎用部品を使った試作機、200万かかった実機に近い試作機などなど…

TENORI-ONが完成するまでの長い道のりをスライドで紹介。

発想だけじゃなく、実際に形にしてしまう技術力があるのがスゴイと思う。

芸術的なコンセプトと、プログラムを書ける数学的な知識を併せ持っている。

そこがメディアアーティスト岩井さんのカッコよさだなぁ。


岩井さんが、1時間以上もあまりに熱く語ってしまった為

気づけばイベントの残り時間がわずかにw

西堀さんが編集してきた海外でのプロモーションツアーの映像を

若干、飛ばしぎみで紹介。

岩井さんのTENORI-ON開発日誌をいつもチェックしていたので

様子は知っていたけど、映像で観るとやっぱりカッコイイ。

大変だったんだろうなというのは伝わってくる。


最後に、イベントっぽくTシャツとポスターのプレゼント大会が行われた。

岩井さんの「10月生まれの人!」との問いかけに手を上げたのは5人。

プレゼントもちょうど5つということで、あっけなく終了(苦笑


なんだか全体的にほのぼのとした感じで

イベントは終了したのでした。



2008年10月16日 (木)

横浜トリエンナーレ2008 ふたたび その3。

テクテク歩いて日本郵船海岸通倉庫へ。

前回は、勅使河原三郎さんのパフォーマンスを観て終わってしまったので

観られなかった残りのブースを、がっつり観ていく事にする。


まずは1F、ヘルマン・ニッチュさんのブースから。

前回記述した通り、R15指定でかなりグロイ。

大まかに言うと、張り付けにされた裸の人が

動物の臓物やら何やらで体中を血みどろにされてるみたいな映像が流れてる。

怪しい宗教儀式を模してるよう。


Heruman


正直、ふ~んって感じで、あんまり感想はない。

これ現場は臭いだろうなとか、後片付けが大変だとかそんな感じw

というより、こんな事を1962年からずっとやってるのかと

その事にビックリした。

どんなことにも需要ってあるんだなぁ。

もちろん、こういうのが苦手な人は観ない方がいいかと。


隣にある勅使河原さんのブースでは

ご本人のパフォーマンスは行われていないけど

ガラスの破片がちりばめられた、あの独特な空間は観られる。

異様な雰囲気の一端を感じる取ることは可能。


1Fはこの2つのブースだけなので

外へ出て階段を上り2Fへ。


Koyote

ジョーン・ジョナス

《物のかたち香り感じ(ベルリン・バージョン)》

様々な映像が、壁や柱やスクリーンに映し出される

広いスペースを使ったインスタレーション。

それを端っこからコヨーテ(?)の剥製が見守る。

こういうの結構好きだ。



Rezo

小杉武久 《レゾナンス》

光と電子音を使ったインスタレーション。

こういうのは単純にキレイだし好きなんです。



他にも、もっといろいろあるけど

写真に撮りづらかったりしたのでこれだけで。

3Fへ移動。


オノ・ヨーコさんの《カット・ピース》という映像作品があり

一度観てみたかったので、観られてよかった。

内容は、オノさんの着衣を

観客が順番にハサミで切っていくというパフォーマンス。

1965年に行われたものと、2003年に行われた2作品が上映されてる。

1965年はともかくとして、2003年でもコレが成立するというのは

オノ・ヨーコという人物だからこそがなせるワザか。



ロドニー・グラハムさんの一連の作品は「ポテト」がモチーフ。

1969年の映像作品《銅鑼にポテトを投げ当てる》は

椅子に座って、遠くにある銅鑼にポテトを投げ当てるパフォーマンスで

訳のわからなさが面白くて好きだ。

全てのポテトを投げ終えてそのままじっとしてる時に

見守っている観客達の、何かを期待して待っているリアクションが笑ってしまう。



Hikari

ポール・チャン 《6番目の光》

床に投影された光の枠の中をいろいろな形のものが通り過ぎていく。

たまに予想もしない動きをするので面白い。



マシュー・バーニーさんの《ヴェールの守護者》という作品も

R15指定になってる。

生演奏と共に、舞台の上で不思議なパフォーマンスを繰り広げる人々の様を

収録した42分もある映像作品で、後半の20分程を観る事が出来た。

最初、どの辺がR15なのかと思ってたら

途中、舞台の上でいわばスカトロチックな事をするので

そのためかと思われます。

うーむ…アート…なのコレ?



出口脇の最後の作品は、ポール・マッカーシーさんの

これまたR15指定の映像作品。

グロいです。

ていうか、グロそのものを狙ってる作品なので仕方ないすね。

スプラッタームービーとか好きな人はどうぞ。



他にもいろいろありますがこんな感じで。

この会場は、難しい作品が多い。

というよりキ〇ガイ度が高い(苦笑


アートって何でしょうね。

とりあえず、横浜トリエンナーレ2008は

コレにて終了ということで。

サラヴァ!アディオス!



横浜トリエンナーレ2008 TIME CREVASSE

http://yokohamatriennale.jp/

2008年9月13日(土)~11月30日(日)

一般 ¥1800


- メイン会場 -

・新港ピア

・日本郵船海岸通倉庫

・横浜赤レンガ倉庫1号館


- その他の会場 -

・三溪園

・大さん橋国際客船ターミナル

・ランドマークプラザ

・運河パーク



横浜トリエンナーレ2008 ふたたび その2。

赤レンガ倉庫はパスして、ちょっと気になっていた場所へ寄り道。

倉庫近くにある、海上保安資料館横浜館へ。

以前、お台場で一般公開されてた不審船が展示されてる。

これがすごく生々しい。

想像してたより大きかったなぁ。

入場無料なので、時間があったらぜひ。


Kousaku02


大分時間も潰れたので、テクテクと大さん橋へ移動。

大巻さんのイベントまで少し時間があるので

前回見忘れた《HBOX》を観る。

これもトリエンナーレの参加作品。


Hbox


HBOXのHは、あの高級ブランド エルメスのH(Eじゃないよ)。

この作品の企画・制作をエルメスが行っているとのこと。

10人ほどが収容できる組み立て式の箱で

中では、8人の映像作家による作品が順番に上映されてる。

狭いし混んでるので、奥までは入れなかった。


HBOXの前で、スタッフさんとご婦人がもめてた。

どうやら、大巻さんのイベントの事でクレームを付けてるらしい。

どこでやるのかはっきりしろみたいな事のよう。

まぁ、正直気持ちは分かる。

大さん橋って広いし、到着してもスタッフさんが居て誘導してるわけでもなく

イベントのインフォメーションみたいなものって何も無い。

結果的にイベント場所は、大さん橋の中央右側辺りだったんだけど

実際自分も、道なりに左側から歩いてきたからぐるっと一回りして

やっと見つけたって感じだった。

もう少し分かりやすく、入り口からの誘導表示を置いてくれるといいのに…


で、その大巻伸嗣さんの《Memorial Rebirth》は

15:30をちょっとすぎてようやく始まった。


Omaki02


白いバケツ型の機械から、大量のシャボン玉が噴出す作品。

開始直前は数人が見守る程度だったけど

どんどん人が集まってきて、子供たちもおおはしゃぎ。

こういう作品って理屈じゃないなと思う。


Omaki01


本来はこの機械が50台ずらっと並ぶらしいけど

今回は、メンテナンスのため18台しかなかった。

それでも大量のシャボン玉が噴出す様は、ホントにキレイだった。

シャボン玉が尽きるまでの約30分間、ぼーっとしながら眺めてた。

(ちなみにこの機械、かネック先生の工房で作ったらしいwink



さて、満足したところで…

前回時間切れで観られなかったブースを観に

日本郵船海岸通倉庫へ向かう。


その3へ続く>



横浜トリエンナーレ2008 ふたたび その1。

前回観られなかったブース&イベントを観る為

横浜トリエンナーレ2008に再び行ってきた。


大巻伸嗣さんの《Memorial Rebirth》が19日までになっていたので

今回は、絶対に見逃す訳にはいかない。

念には念を入れ、馬車道駅構内と運河パークの

2箇所のインフォメーションセンターで

イベントの時間と場所をがっつりチェックする。

しかしながらスタッフさん曰く、大巻さんのイベントは

時間が前後する場合があるので、一応会場で確認してくれとのこと。

そう言われてもなぁ…


大巻さんのイベントは11:00と15:30の2回。

場所は前回行った大さん橋国際客船ターミナル(苦笑

ホントはその前に、会場の1つである三溪園に行くつもりだったけど

すでに14:00を過ぎていたので止めた。

三溪園だけは場所が結構離れていて

馬車道駅からバスで30分近くかかるからだ。


三溪園行きをあきらめたため、中途半端に時間が余る。

せっかくなのでもう一度、新港ピアをざっと観ていくことにする。

今回はちゃんとデジカメを持参して、タイトルもちゃんとメモってきた。


Art

ヨナタン・メーゼ

《ドクター・ノーメタボリズム・イン・ムーミンジム・

ライク・ソルジャーフラッシュブルー・デ・ミン

(ベイビーキングコングはファントマジムに帰る。

ありがとう…1912-2012)》

なんというか…好き勝手の極み(苦笑



Tekyu

トニー・コンラッド 《ブルネレスキ》

水面をかすっていく振り子の動きになぜか惹かれる。



Kuma

ペーター・フィッシュリ&ダヴィッド・ヴァイス

《ネズミとクマのフィルムの一部》

ネズミとクマが豪華な宮殿で好き勝手にやっている。

ただそれだけなのに見入ってしまう。



Maru

ペドロ・レイエス 《ベイビー・マルクス》

この人形達が繰り広げる映像作品が観られる。

共産主義のヒーロー達をアイロニカルに描いたもの。



Mira

ケリス・ウィン・エヴァンスとスロビング・グリストル

《あ=ら=わ=れ》

吊るされた鏡からは、時折音が流れてくる。

日か差し込んでたら、きっとキレイだろうな。



Mizaru

シルパ・グプタ 《見ざる、聞かざる、言わざる》

もうちょっとひねってもいいかと…



Kanashimi

スティーヴン・プリナ

《何を読んでも二番目に出てくるのは

いつでもあなた:哀しみのセックス》

ちょっとした休憩所代わりになってる(苦笑

それでいいのかもしれない。



Drum

クスウィダナント a.k.a. ジョン・ペット

《ジャワズ・マシーン:ファンタスマゴリア》

ズシンと響く太鼓の音が心地よいのです。



Kagami

ミケランジェロ・ピストレット 《17マイナス1》

1枚だけ無傷の鏡の前にはハンマーが。

割りたい!



他にもいろいろあるけど、一度観てるし…そろそろ退散。

平日でもそれなりに賑わってた。

つい先日、入場者数が10万人に達成したらしい。

スバラシイshine


その2へ続く>



2008年10月 4日 (土)

横浜トリエンナーレ2008 その3。

テクテク歩いて、メイン会場の1つ日本郵船海岸通倉庫に到着。

ついに、勅使川原三郎さんのパフォーマンス

《時間の破片 - Fragments of Time》が観られる。

勅使河原三郎さんの名前だけは、学生の頃から知っていた。

いつか観てみたいと思っていたので、この機会は逃す訳にはいかない。


来る前に公式サイトで調べた所、時間は13:00~18:00とあった。

5時間もあるけど、1日何回公演とかそういう記載じゃないし

いったい、どういう時間の割り振りになっているんだろうかと思っていた。

この時間表記の意味は、後ほど知ることになる。


Image054


到着してすぐ、チケット売り場の前を横切ったとき

「本日のイベント 大巻伸嗣《Memorial Rebirth》 新港パーク」と

小さく書かれた看板が眼に入った。

うわぁ、やられた…


この会場は1Fから3Fまでの3フロアが使われている。

今回は、1Fから2Fへ行きたい場合、外階段を使って入るようになっている。

とりあえず、1Fから観ていくことにする。


入ってすぐ、通路がロープで仕切られていて、奥に人が並んでいるのが見えた。

通路の反対側にも人が列を作っている。

1Fは、勅使川原三郎さんとヘルマン・ニッチュさんの作品ブースしかない。

なるほど、どっちも並ばないと観られないのか…

そう思ってとりあえず、右側の列に並ぶ。

少しして、自分の後ろにも人が並びだした。

そのとき、スタッフさんがアナウンスを始めた。


「こちらの列は勅使川原三郎さんのブースを待つ列となっております。

ココからですと大体1時間待ちです。

ヘルマン・ニッチュさんのブースは待ち時間無しでご覧頂けます」


なんと!

左右に分かれていた列はどちらも勅使川原さん待ちの列だった。

しかも今から1時間待ち…

この会場は18:00までしか開いてない。

到着したのが16:20くらいなので、今から1時間並んで

勅使川原さんをちょっと観ても、他のブースを観る時間はあまり残ってない。


列の後ろに人がくるたびに、スタッフさんが同じ説明をする。

1時間と聞いた段階でみんな諦めて帰っていく。

そんな状態が20分くらい続いて、結局、列に増えたのは2人だけ。

だったら、もう1つのブースを先に観ればよかった。

ちなみに、ヘルマン・ニッチュさんのブースはR15になっている。

人が入っていくときにちらっと中が見えたけど

どうやら、昔「夜想」とかで読んだようなグロい展示物があるようだ。


約50分程待ったところで、人がぞろぞろと出てきて

ようやくブース内に入ることができた。

この中は撮影禁止。

通路も真っ暗でよく見えない。

誘導されて進むと、ほのかに光る空間が見えた。

ブースは奥に細長い形状で、手前に客が詰め込まれているような状態。

はっきりいって狭い。

椅子もあるみたいだけど4~5人座れるだけで、後はみんな立ち見。


空間にはノイズのような、瞑想曲のような音が流れている。

両サイドの壁には、グラスファイバーのようなものが無数に光っていて

床には、砕けたガラスがびっしりと敷き詰められている。

その空間の奥に、ほんのりと暗い人影が見えた。

勅使川原さんだ!


すこし動くたびに、敷き詰められたガラスが砕ける音が響く。

照明がゆっくりと変化していく。

だんだん明るくなって勅使川原さんの姿も認識出来るようになった。

それと同時に両サイドの壁もはっきりと映し出される。

グラスファイバーが光っていた訳じゃない。

ガラスの破片がびっしりと壁に突き刺さっているのだ。

さっきは壁の裏側から照明を当てていて

壁に突き刺さったスリット部分から、ガラスの断面を光らせていたのだった。


壁の両サイドと床をガラスの破片で囲まれた美しくも異常な空間。

その中で全身に黒い衣装をまとった勅使川原さんが

まるで太極拳のようにゆっくりと舞っている。

そうかと思えば、急に床に座り込んだりする。

そのまま、ガラスの破片で埋め尽くされた床に寝転がってしまった。

頭はスキンヘッドで、両腕は剥き出しの状態。

そんな状態で、頭や手足を砕けたガラスの床に打ちつけたりしている。

恐ろしいほどの緊張感が空間を包み込む。

ガラスの破片が、タイトルの「時間の破片」とするならば

時間に囚われ、逃れられず苦悩する姿なのかもしれない。


勅使川原さんの動きは、こちらには全く読めない。

すべては勅使川原さんが赴くままに進行していく。

このパフォーマンスに、始まりと終わりはあるんだろうか…

ふとそんな事を考えた時に、驚愕の事実に気づいた。

公演時間が13:00~18:00になっていたのは

この時間内に何度か上演するということではなく

きっと、5時間ぶっ通しで行われるということなんだと。


コレを5時間続けるって…尋常じゃない。

ある意味ハイになってないと続かない気もする。

しかし、本当にハイになっていたら、壁に突き刺さったガラス片に

突っ込んだりしてしまうかもしれないし

観客に向かってガラス片を投げつけてしまうかもしれない。

でも実際は、壁に近付いても決して突っ込んだりしないし

ガラス片を手に取っても、決して観客の方向には投げない。

自分の中で、常に理性が闘っている状態なのかも。


コレは最後まで観なきゃいけないと思った。

このパフォーマンスがどのように終焉を迎えるのか

確かめないと意味が無いと思った。

もう他の作品を観るのは諦めた。


18:00まで残り40分くらいになった時に

勅使川原さんが観客と対峙するように座り込んで動かなくなった。

表情ははっきりと確認でき、どこか微笑んでいるかのようにも見える。

力強い目は観客を通り越して、どこか向こうを見据えている。

そのまま約15分微動だにしなくなった。


そうしている間にも、何人かの客がだんだん入れ替わっていく。

正直、殆ど寝てない状態で(24のせいw)、今日1日中歩き回って

ずっと立ちっぱなしだったので、かなり辛くなってきたけど

ココで出て行ったら負けだと思って耐えることにした(苦笑


ゆっくりと、しかし時折激しく動きながら、勅使川原さんの舞は続く。

18:00になって、いよいよ終わりがくるのかと目を凝らしていたけど

全く終わる気配がない。

そのままパフォーマンスは続き、18:20を過ぎた頃

ゆっくりと終焉を迎えた。

まるでイリュージョンのように。


どこからともなく拍手が沸き起こる。

余韻に浸る間もなく、スタッフさんに退室を促され外に出ると

辺りはすっかり夜になっていた。

もちろん隣のブースも真っ暗。

思えば、ブース入場から約1時間30分も経っていた。

やっと時間から開放されたようです。

観られなかったブースは、また次回ということで。

とりあえず、ビールでも呑みに行こう。




横浜トリエンナーレ2008 TIME CREVASSE

2008年9月13日(土)~11月30日(日)

一般 ¥1800


- メイン会場 -

・新港ピア

・日本郵船海岸通倉庫

・横浜赤レンガ倉庫1号館


- その他の会場 -

・三溪園

・大さん橋国際客船ターミナル

・ランドマークプラザ

・運河パーク



横浜トリエンナーレ2008 その2。

新港ピアを後にして、さて次はどこへ行こうかとマップを観る。

一番近そうな赤レンガ倉庫へ向かう。


Image047


すぐ横で別のイベントが開かれていて、ビアガーデンがあった。

天気もよく土曜日ということもあってか、大勢の人達で溢れてる。

ビールを横目しながら、倉庫内に入る。


会場は、2Fと3Fに分かれていて

ちょうどトークイベントが行われる時間だったらしく

スタッフの人たちが3Fで行われるイベントへの参加を呼びかけている。

呼ばれるままに3Fまで登ったけど、あまり興味が無かったので

トークイベントはスルーすることにした。


3Fの展示物は3つだけ。

一番目立つのが、公園にでもありそうな木製の遊具みたいな作品。

らせん状にスロープがあって、構造物の中央上部まで登ることが出来る。

一見、バリアフリーかと思いきや、最後の部分が急な階段になっていて

コレにも意味があるのかもしれない(ないかもしれないw)


この作品の面白さは、傍から見てると分かる。

みんな興味をもってスロープを登っていくんだけど

いざ頂上に到着すると、特に何がある訳でもないので

ぐるっと1周してそのまま元来た道を引き返していく。

何人も連なって登っていくのに、みんな同じように1周して

そのまま連なって戻ってくるのが滑稽だった。

自分も同じように行動してたんだけど(苦笑


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一通り観て2Fに移動する。

ココには映像作品が多く展示されている。

殆どが古いモノクロフィルムで、貴重といえば貴重。

ただ、今コレを観る事に意味があるのかといえば微妙なところ。


《ハイレッド・センター・シェルタープラン》という

1964年のモノクロフィルム作品が目を惹いた。

当時のいわゆる前衛芸術家がたくさん出てくる。

若き日のオノ・ヨーコさんもいる。

ハイレッド・センターってなんだろと思いながら観てたけど

出演者の名前で気づいた。

高松次郎、赤瀬川原平、中西夏之…

それぞれの名前の1文字目を英語読みしてるのかー。

後でググってみたら、有名な前衛芸術グループだったようです。

赤瀬川原平さんは知ってたけど、知識不足でございました。


後半のエリアには、灰野敬二さんが演奏するビデオが流れてた。

スピーカーではなく、ワイヤレスヘッドフォンをして音を聴くようになってる。

灰野さんは好きですけど、ビデオ映像とヘッドフォンでパッケージングされて

現代アートとしてこういう所で展示されるんだなと思うと

なんか変な気分だ。


一番奥のエリアに着くと、なにやら行列が出来ている。

スタッフさんの説明によると、テキストを読みながら

細い通路を通り抜けていく作品で、反対側からは外国の人が

英語のテキストを読みながら進んでくるようになっているので

双方が同時に入ってしまうと、狭い通路を交差できない。

そのため、外国側の通行待ちをしているという。


せっかく来たので並ぶことにする。

かなりの行列が出来ていたけど、15分ほどで順番が廻ってきた。

細い通路の左右の壁から、交互に板が突き出ていて

そこにテキストが書かれている。

それを読みながら進んでいくんだけど、ちゃんと目を通していくと

それなりの時間もかかるし、前の人もつかえているし

自分のペースでサクサクと進むことは出来ない。

狭い空間でちょっと蒸し暑いし、一度入ったら戻る事も出来ず

少し不快な気持ちも出てくる。

なるほど、コレが作品の意図するところなのかもしれない。

何が書かれているかは、行ってからのお楽しみということで。


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一通り観終わったので、次の場所へ移動することに。

あと15分くらいで16:00になる。

その時間は、大巻伸嗣さんの《Memorial Rebirth》という

パフォーマンスが行われる事になっているけど、場所が分からない。

下調べの時に、いろいろとブログを観ていたら

大さん橋で行われたという記事があったのを思い出して

とりあえず、行ってみる。


大さん橋国際客船ターミナルも展示エリアの1つ。

到着したけど広大なのでどこでやっているのか分からない。

とりあえず、ぐるっと1周してみることに。


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いい天気なので、みんな芝生で寝てる。

でも、この芝生には入っちゃいけないらしいw

注意書きも出てるし、アナウンスもしてるから、よいこは真似しないように。

ここは全体が板張りで、ふしぎな造形をしている。

「くじらのせなか」という愛称がついてるらしい。


散歩気分でテクテク歩き回ったけど

16:00を過ぎてもパフォーマンスは行われる気配がなかった。

場所が違ったとあきらめて、次の会場へ移動することに。

本日1番観たかった勅使川原三郎さんのパフォーマンスを観に

日本郵船海岸通倉庫へ向かう。

向かう途中、大さん橋のホールにあったはずの展示作品を

すっかり観忘れていたことに気づくsweat01

あーあ…


その3へ続く>



横浜トリエンナーレ2008 その1。

横浜で3年に1度開催されるアートイベント

横浜トリエンナーレ2008に行ってきた。


Tri


サイトを観たところ、今日は大巻伸嗣さんの《Memorial Rebirth》と

勅使川原三郎さんの《時間の破片 - Fragments of Time》という

パフォーマンスが行われるらしい。

ただ、大巻さんの方は、開催時間だけで会場が記載されていなかったので

どこで行われるのかは不明。


メインとなる会場は3箇所で、その他に4箇所の展示エリアがあり

みなとみらい周辺に散らばっている。

どこから観ていくかは自由なので、あらかじめイベントの時間などを

下調べしてから廻った方がいいかと。

桜木町駅と馬車道駅からは、メイン会場へのシャトルバスも運行してるので

うまく使うと便利かも。

メイン会場の入場にはチケットが必要(一般¥1800)で

各会場かプレイガイドで購入する事が出来る。

このチケットは会期中2日間有効で、日にちは連続していなくてもいい。

ステキshine


まずは、ランドマークプラザへ。

ここには《落っこちたら受けとめて》というインスタレーションが展示されている。

高い飛び込み台の上に少年がたたずみ、

下には水の張った円形のプールがあるというもの。

こういったショッピングモールのようなところに展示してあるというのが

作品に面白さを与えてるんだろうな。

写真を撮ろうとしたら、デジカメを忘れてきたことに気づくsweat01

仕方ないので携帯で。


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この作品に関しては、10月26日までの展示なのでご注意を。

ちょうど真横で、城戸真亜子さんがトークイベントをやっていたので

いろいろな角度からじっくり観られなかったけど

巨大なインスタレーションなのでインパクトは大。

ちなみにトークイベントはトリエンナーレとは関係なかったみたい。


続いて、メイン会場の1つである新港ピアへ移動。

とりあえずテクテク歩いて向かう。

ランドマークプラザから、汽車道を通って行くと

渡りきったところに運河パークがある。

ここも展示会場の1つで、総合案内所でもある

妙な形のインフォメーションセンター「イエノイエ」があり

すぐ横には《リングドーム》という作品が展示されている。


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そこからさらにテクテク歩きつづけて、ようやく新港ピアに到着。

チケット購入時に、マップとイベントスケジュールが記載された冊子がもらえる。


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特にアナウンスは無かったけど、会場内はフラッシュを炊かなければ

基本的に写真撮影OK(ビデオNG)らしい。

いつものことながら、全部撮ってるとキリがなさそうなので

コレは!と思ったものを重点的に記録していくことに。

携帯カメラだけど(苦笑


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まずキュピーン!ときたのは、着色された水を張った浅い水槽の上に

鉄球の振り子がぶら下がり、ゆったりと水面をかすめていく作品。

まわりの床に、水が飛び散った跡があるので、水面をすくう時もあるらしい。

ブース全体が暗いので、写真にうまく写らなかった。

フラッシュを炊いて撮影してた人が居たけど、スタッフに注意されてた。


よく観ると振り子が壁の方までロープで繋がっていて

このロープを動かすと振り子の動きを変えられるのかもしれない。

触るなって注意書きがあったけどw

すぐ脇に、いびつな「建物のようなもの」があり

これも含めたインスタレーションなのかな。

規則正しい振り子の動きと、歪んだ壁ってことで意味付けがありそうな…


映像作品では、豪華な宮殿の中でネズミとクマのきぐるみが

ピカピカの床をズサーッと滑ったり、寝転んだり、浮遊したり、ラジバンダリな

好き勝手にやってる作品が良かった。

きらびやかな宮殿と不恰好なきぐるみとのコントラスト。

なんだかずっと観ていられる。

最初観たときは、モグラとパンダかなと思ってたけど

このブースと別の場所に、お腹を上下してちゃんと呼吸している(っぽい)

睡眠中らしき2体のぬいぐるみが展示してあって

作品名が《ラット&ベアー》だったのでした。

これが豪華な宮殿の中で、好き勝手にやっている姿って最高でしょ。


Image041


映像の動きとシンクロして太鼓を叩くインスタレーションも良かった。

叩くだけなんだけどw

太鼓っていうのがいいのかな。

うまく説明できないけど、妙に惹かれてしまった。


Image042


広い空間の壁一面に、たくさんの鏡が設置されている作品も目を惹いた。

鏡がところどころ割られているのは、実際にパフォーマンスが行われた跡か。

これだけ広い空間に、たくさんのデカイ鏡があってハンマーが置いてあったら

自分も思う存分叩き割ってみたいという衝動にかられる。


Image044


各作品ブースは白い壁で囲われていて、入ってすぐのエリア以外は

かなり細かく区切られ、ある意味、迷路のようになっている。

注意しないと、他のブースに気づかず見逃してしまう可能性がある。

チケット購入時にもらった会場マップで確認しながら廻った方がいい。

映像作品も多いので、ちゃんと観ようとするとそれなりに時間がかかるかも。


それと、ブースには作品名と作者名しか記載されておらず

作品に関する解説等は全く記載されていない。

会場マップにも全く記載されていない(公式サイトにすら記載は無い)ので

作者の制作意図を理解するのは正直言って難しい。

後で気づいたんだけど、音声ガイドが有料で貸し出しされてた。

ただしこれもすべての作品に対応している訳じゃないみたい。

公式ガイドブックが¥900で売ってたので

コレを買って観ながら廻れってことかも。

会場案内を含め、イベント全体がちょっと不親切という気がした。


とりあえず、次の会場へ向かう。

その2へ続く>



2009年12月

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